外装リフォームのコツ

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外装リフォームのコツ

家の外観画像

住まいの外装は建物の外から見える部分。

ここで紹介するのは【屋根】【外壁】【雨樋】【軒天・破風・雪止め】と外装建具の【雨戸・シャッター】の5つです。

外装や外装建具は建物を外側から守る重要な部分である事は間違いありません。その分、常に紫外線や熱、雨風にさらされており、劣化の激しい部分です。

そして、建物を守るだけでなく、人から一番見られる部分でもあり建物の印象を左右するのも外装です。

きちんとしたメンテナンスが必要になります。

屋根について

屋根マンのイラスト

屋根はご存知の通り、夏場の強い日差しや紫外線、台風やゲリラ豪雨、冬場の雪などから大切な家を守るとても重要な部分です。

塗装等の定期的なメンテナンスが必要です。しかし、定期的なメンテナンスを行っていても、2度3度続けていくうちに屋根は劣化していきます。

雨漏りや内部が傷んでしまったり、そうなる前の対策として、屋根の葺き替えや重ね葺きをおすすめします。

【屋根の工法】

◆葺き替え◆

葺き替えのイラスト

葺き替えとは既存の屋根材や下地材等を全て撤去し、全てを新しい屋根材にすることです。

葺き替えのメリットは屋根材だけでなく、防水シートや下地材まで新しくなるので、建物自体の耐久性も向上します。
また、軽い屋根材へ交換することもできます。

デメリットは屋根材の解体処分費がかかること、アスベスト(石綿)が含まれている場合は、処分費がさらにかかり、近隣への配慮等も必要となります。

※アスベストとは、天然に産する繊維状ケイ酸塩鉱物です。繊維が極めて細かく、昭和50年に原則禁止となりました。
解体などで飛散し吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止が図られています。

◆重ね葺き◆

重ね葺きのイラスト

重ね葺き(カバー工法)とは既存の屋根材を撤去せず、既存の屋根の上に新しい屋根を被せることです。

下地材に傷みがない場合などに適しています。
メリットは葺き替えに比べ処分費等の費用かからないので経済的で、工事期間も短くて済みます。
デメリットは瓦などの屋根には対応できないこと、屋根を被せる分、屋根の重量が増えてしまいます。

【屋根材の種類】

屋根と言っても、種類がありそれぞれに特徴があります。ここでは代表的な屋根材の種類をご紹介します。

◆ 瓦 ◆

瓦の画像

飛鳥時代の瓦が未だに現存するほど耐久性に優れている和瓦。

また、塗装の必要はありません。
しかし、初期費用が高額の為、和瓦のシェアは低下傾向にあります。
また、重量がかなりある為、耐震性も劣ります。

◆ スレート(コロニアル) ◆

スレート屋根の画像

スレート屋根はカラー展開が多く、瓦に比べ重量も軽いため1960年頃から「石綿スレート」が普及しました。

アスベスト(石綿)の健康被害が注目され、2006年には全面的に使用禁止となりました。
2006年以降はアスベストの入っていないスレート屋根になっています。
耐火性、耐熱性にも優れており、さらに施工しやすい為、複雑なデザインの屋根にも適しています。
しかし、表面劣化が起こりやすく約10年毎に塗装をするなどのメンテナンスが必要となります。

◆ 金属屋根(ガルバリウム鋼板) ◆

金属屋根の画像

金属屋根(ガルバリウム鋼板)は軽量で建物の負担が少なく耐震性が高いと言われています。

カラー展開も多く耐久年数も高いのが特徴です。
しかし、一般的なタイプは断熱性が低いため夏場は屋根裏や、室内の気温が高くなります。
また、防音性も低いため雨音が気になることがあります。

◆ 自然石粒付鋼板 ◆

自然石粒付鋼板の画像
※メーカーにより保証内容が異なります。

自然石粒付鋼板はガルバリウム鋼板やジンカリウム鋼板に自然の石粒をコーティングした屋根材です。
代表的なものとして、D’sルーフィングやスカイメタルルーフなどがあります。
瓦に比べ、軽量で建物への負担も少なく耐震性が高いと言われています。

メーカー保証も30年と長いのが特徴。また、細かい石粒が太陽の熱を反射することで遮熱性が高く、更に雨を細かい石粒が拡散することで防音性にも優れています。 さらに、急勾配の屋根でなければ、雪止めが不要となります。価格の目安は瓦とスレートの間位となります。

◆ トタン ◆

トタン屋根の画像

トタン屋根はつなぎ目が無いので雨漏りしにくいと言われています。

素材も安価で施工時間も短いのが特徴です。

しかし、耐久性が低く、サビが出るため定期的なメンテナンスが必要となります。
また、断熱性や防音性も低いため、雨音が響いたり、夏は熱く冬は寒いなどがあります。

【屋根材の重さ比較】

地震における建物への負荷は屋根材の重量に比例します。
なかでも屋根は柱、梁、壁に支えられ、建物の一番上に位置します。
屋根が重いと建物の重心が高くなるため、地震時の揺れ幅がより大きくなります。

屋根材によって重さに違いがあります。

屋根材の重さイメージイラスト
屋根の重さをわかりやすくしたイラスト

耐震性を考えた場合、屋根は軽いほうが安心です。
葺き替えの場合は、現在の屋根よりも軽量な屋根材を選ぶことをお薦めします。

重ね葺きでは現在の屋根に新しく被せるため、現在よりも屋根が重くなります。
そのため軽い金属屋根や自然石粒付鋼板屋根をお薦めします。

外壁について

住宅の外壁は屋根と同じく、風雨や紫外線などにさらされる部分です。
汚れたり劣化してしまうと、見た目だけでなく、雨漏り等で内部が腐食なんてことになりかねません。
外壁リフォームには3つの種類があります。「外壁塗装」「張り替え」「重ね張り(カバー工法)」
ここでは、張り替えや重ね張りについてご紹介いたします。

外壁塗装はこちらのページをご覧ください。

【外壁の種類】

まずは、外壁の主な種類をご紹介します。

◆ モルタル ◆

モルタル外壁素材の画像

サイディングが普及する前までは木造住宅の大半がモルタルの外壁でした。

モルタルは外壁をデザインすることができます。模様を作ったり、タイルを貼り付けたりとデザイン性に優れています。
但し、防水機能を持たないので塗装等で防水機能を持たせる必要があります。
また、ひび割れ等が起こりやすいので定期的なメンテナンスが必要となります。

◆ サイディング ◆

サイディングの画像

サイディングには窯業系・金属系・木質系・樹脂系があります。

サイディングは軽量で耐久性に優れており、デザインのバリエーションも豊富なうえ、工期も短く済むことから現在の住宅では主流となっている外壁材です。
但し、サイディングはつなぎ目に目地を打つので、年数が経つとコーキングが劣化します。
その為、コーキングの打ち替え、補修等のメンテナンスが必要になります。

◆ タイル ◆

タイルの画像

タイルは粘土や石材を細かく砕いたものを焼き固めたものなので、耐候性や耐久性にとても優れています。

見た目も、サイディング等模倣商品とは違い、長期間美しさを保つ事ができます。
但し、コストが高い事、下地の劣化がわかりにくい事、そして地震等で剥離してしまう事があります。

モルタルやサイディングは定期的な塗装などのメンテナンスをすることで耐用年数が約30年と言われています。
もちろん定期的な塗装等のメンテナンスを怠っていると、耐用年数が短くなります。
耐用年数を迎えた外壁に最適なリフォームが、張り替えや重ね張りです。

【外壁の工法】

張り替えや重ね張りはサイディングが主流となっています。

◆ 張り替え ◆

外壁張り替えのイラスト

トタン屋根はつなぎ目が無いので雨漏りしにくいと言われています。

素材も安価で施工時間も短いのが特徴です。

しかし、耐久性が低く、サビが出るため定期的なメンテナンスが必要となります。
また、断熱性や防音性も低いため、雨音が響いたり、夏は熱く冬は寒いなどがあります。

◆ 重ね張り(カバー工法) ◆

重ね張りのイラスト

トタン屋根はつなぎ目が無いので雨漏りしにくいと言われています。

素材も安価で施工時間も短いのが特徴です。

しかし、耐久性が低く、サビが出るため定期的なメンテナンスが必要となります。
また、断熱性や防音性も低いため、雨音が響いたり、夏は熱く冬は寒いなどがあります。

【サイディングの特徴】

サイディングは大きく分けて4種類あります。原料や特長がそれぞれ違います。

サイディングの特徴をかいた図

サイディングはモルタルなどの塗り壁に比べ技術を要さないといいます。

メーカーが定める工法があるので、工事期間も短く済みます。
また、費用も安く、耐久性にも優れているのがサイディングの特徴です。

【雨で汚れが落ちるサイディング】

ケイミュー株式会社の光触媒の壁は、「光触媒=酸化チタン」に太陽光(紫外線)があたることで生まれる、有機物を分解する「分解力」と、水に非常になじみやすい「超親水性」なので汚れの下に雨水が入り込んで外壁に着いた汚れを洗い流します。

太陽光で有機物を分解する説明イラスト
壁に付着した汚れを光触媒で分解します
雨で外壁の汚れが落ちる事を説明するイラスト
雨で分解した汚れを流します

ニチハ株式会社のマイクロガードは、付着した汚れを雨水で繰り返し落とせるセルフクリーニング機能。
親水性の効果で空気中の水分子を取り込んで外壁表面に薄い水分子膜を作り、汚れを浮かせて、雨で洗い落とします。

マイクロガードのセルフクリーニング機能を説明するイラスト

【サイディングリフォームのコツ】

リフォームの場合は、サッシは既存の物をそのまま使います。
そこで、サイディングの色を選ぶコツとして、サッシの色と調和させることが大切になります。

※旭トステムカタログ引用

サッシの色

サッシ色(ブロンズ)のイラスト

サイディングの色

ブロンズ系のサッシには、和風系のカーキや黄色みのベージュのサイディングとマッチします。
白いサイディングにしたい場合は、純白ではなくアイボリー系に近い白を選ぶと良いでしょう。

サッシの色

サッシ色(ホワイト)のイラスト

サイディングの色

ホワイト系のサッシには、クリームやベージュ、キャメル等のサイディングがマッチします。
新築当時の色よりやや彩度をアップさせると現代的なイメージになります。

サッシの色

サッシ色(ブラック)のイラスト

サイディングの色

ブラック系のサッシには、明るい色や彩度の高い色のサイディングを引き締める色として使うと効果的です。

サッシの色

サッシ色(ブラウン)のイラスト

サイディングの色

ブラウン系のサッシには、サンドベージュやブラウン等のナチュラル系のサイディングがマッチします。
張り分けでツートンにすると新しい感じになります。

サイディングには様々な柄があります。張り分けることができるのもサイディングの魅力のひとつです。※旭トステムカタログ引用

サイディングの様々な柄を説明するイラスト

サイディングは張り分けることも可能です。
柄や色などを張り分けることで家の雰囲気ががらりと変わります。
同じ柄や柄の大きさが近いものを張り分ける場合は、色の明度差を出すと引き立ちます。

サイディング張り分け時のおすすめ組み合わせイラスト

張り替えや重ね張りは、塗装や吹付と違い豊富な柄や色が選べるので、思い通りの外装イメージに近づく事ができます。
住み慣れた我が家が住み慣れたまま新築のように生まれ変わります。

雨樋について

雨樋には軒下に設置して屋根からの雨水を集めて流す軒樋と、軒樋で集められた雨水を下に流す縦樋があります。
「雨樋の何が重要なの?」「雨樋は必要なの?」と思う方もいます。
では、雨樋がなかったらどうなるのでしょうか?

雨樋の必要性を訴求するイラスト

雨樋がないと、軒先のあちこちから雨だれが起こり、雨だれが落ちる部分の植栽を傷めたり、溝や水溜まりが出来たり、水が跳ねて外壁を汚したりします。
また、大雨が降ると、雨だれの音が響きます。
雨樋があれば、屋根の雨水は雨樋に集まり、縦樋を通って雨水桝に溜まります。
そのまま雨水用の下水管に流れるか、地中にしみこみます。

【雨樋のメンテナンス】

雨樋は、屋根や外壁と同じく紫外線や風雨にさらされ、雨の日は雨水を受け止め、かかる負担は相当なものです。
破損や詰まりで排水がきちんとできなくなると多くの問題を引き起こしてしまう大切な雨樋。
破損や詰まりを起こす前にメンテナンスをしましょう。

◆ 雨樋を確認 ◆

    • 支持金具が曲がったり外れたりしていない
    • 継ぎ手が割れたり外れたりしていないか
    • 軒樋が歪んだりたわんだりしていないか
    • ゴミや落ち葉など溜まっていないか
≪支持金具≫
雨樋を支えている金具の写真

支持金具とは、雨樋を支えている金具の事です。

この支持金具が曲がっていたり、外れているときちんとした勾配が保たれず、
雨水が正常に流れていきません。
また、ひどくなると雨樋が落ちてきてしまう可能性もあるので
早めに補修する事をおすすめします。

≪継ぎ手≫
継ぎ手の画像

継手とは軒樋と軒樋をつないでいる部分のことです。

この継手が外れていたり、破損していると軒樋のつなぎ目に隙間ができ、そこから雨水が落ちてきてしまいます。 大雨が降ったときなどは、屋根からの雨水を軒樋が受けていても、つなぎ目から雨だれが起きてしまいます。

≪軒樋の歪み≫
軒樋の歪み画像

軒樋に大きなゆがみや破損がある場合は、交換が必要です。

歪みや破損しているときちんとした勾配が保たれていないので、雨水が正常に流れません。 また、破損しているとその部分から雨だれを起こします。 積雪や台風などの自然災害で破損した場合は火災保険が適用される場合があります。

≪ゴミや落ち葉≫
雨樋付近の落ち葉画像

雨樋はゴミや落ち葉が溜まってしまいます。
そのままにしておくと詰まりなどを起こし排水がうまくいかずに雨水が溢れてきてしまいます。
また、軒樋のゴミが集水器に流れ詰まることがよくあります。

集水器の画像

集水器は雨水を集める場所なのでここにゴミが詰まってしまうと雨水が縦樋に流れて行かなくなります。

また、ゴミが縦樋に流れてしまうと縦樋の掃除はとても面倒なので厄介です。
現在は、軒樋にフタが付いているものや、落ち葉除けのネットなどもあるので、それらを活用し、雨樋の詰まり対策することをお勧めします。

雨樋の点検や掃除、修理等はどうしても高所になるため、はしごや背の高い脚立を使います。
長いものを持って上り下りしたり、はしごを移動しながらの作業となるので危険が伴います。
そのため、無理をせず信頼できる専門の業者に依頼することをお勧めします。

軒天・破風・雪止め

軒天・破風・雪止めのイラスト

【軒天】

軒天は雨漏りを見つけるのに一番わかりやすい部分です。

雨は下に流れて行くため、軒先部分に多く漏れます。
軒天に雨染みがある場合は雨漏りしている可能性があります。
また、雨樋の破損やずれで軒天を腐食させてしまう場合があります。

雨漏りが原因の場合は、雨漏りを補修しなくてはまた同じことになりますので、雨漏り修理も併せておこないます。

軒天の画像

【破風板】

破風板は屋根の下や屋根の内部に吹き込む風を防止する大切な役目を持っています。

この破風板の材質は、以前は木質系がほとんどでした。
現在では、金属系を使用している住宅が増えています。
破風板は屋根同様、紫外線や風雨にさらされています。
雨樋のない破風や鼻隠し部分は屋根や外壁に比べ劣化が早く、塗装が剥がれたり、腐食してしまいます。
また、木質の場合は水分を吸ったり出したりしながら伸縮するため劣化が早いのです。

破風板の画像

【雪止め】

雪止めとは、その名の通り「雪をとめる金具」のことです。

屋根からの落雪は雨樋の破損や歪み、カーポートや車の破損、隣家になだれ込むなどのトラブルになります。
塊になった雪はかなりの重量になり、屋根から雪が落下し、直撃した場合、大けがや死亡事故の原因となります。

但し、豪雪地帯では雪止めをつけません。
屋根に雪がとどまってしまうと、雪の重量が増してしまい、家への負担がかなりかかってしまうからです。

雪止めの画像

雨戸・シャッター

雨戸には防雨、防風はもちろん防火、防音、遮光、防犯の役目もあります。

最近では、引き違い雨戸ではなく、シャッターを取り付けるケースが増えています。

雨戸・シャッターのメリット・デメリット図

【便利な雨戸・シャッター】

◆採風・採光

当たり前ですが、雨戸やシャッターを閉めると風や光が遮断されますが、最近では、閉めていても採風、採光のできるタイプのものがあります。

採風・採光のできる雨戸・シャッターの画像
引用:LIXILカタログ
採風・採光のできる雨戸・シャッターの画像
引用:LIXILカタログ
採風・採光のできる雨戸・シャッターの画像
引用:LIXILカタログ

プライバシーを保護しながら、心地よい風を採り入れたり、直射日光を遮りながら程よい光を採り入れる。

例えば、夏の夜は雨戸やシャッターを閉めたまま自然の風で涼むことができたり、直射日光を遮断して自然光を採り入れさらに、直射日光を遮断することで夏場などの冷房効率も高めることができます。

◆断熱性能

雨戸内部に発泡ウレタンなどを充填した断熱性の高い雨戸があります。

断熱性が高いので、冬場の暖房効率や夏場の冷房効率があがり省エネにつながります。
また、商品によっては防音・遮音性能も期待ができます。

外装材はどれも住まいの印象を左右するだけでなく、それぞれが大切な役割を担っています。 また、日本は地震大国です。外装を見直すことで、安全で安心、さらに住まいの寿命も延びます。 大切な我が家だからこそ、この先10年、20年、30年後も快適に過ごしたいですね。

  • 【更新日】2025年01月30日 14:03:03
  • 【投稿日】2024年09月20日 15:01:07
  • カテゴリー :
よくある質問(Q&A)
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