株式会社創研

防犯するなら窓から。リフォームで安全な家に。

  • 公開日:2023年3月1日
  • 最終更新日:2023年3月4日

 外からの侵入を防ぐには、窓の防犯が大切です。大切な資産を守るだけでなく、命も守る窓。

 防犯性能を上げる為に、どんなリフォーム工事が必要なのか?という事をこのブログで紹介していきます。

 

<目次>

 

 

 

防犯のために窓をリフォームする理由

 警視庁が発表している資料によると、留守宅に侵入する「空き巣」と、就寝中に侵入する「忍び込み」の侵入経路で最も多いのは「窓」である事が分かっています。ゴミ出しなどで、在宅ではあるけれど、外に出ている間に侵入する「居空き」でも窓は2番目に多いと発表しています。

侵入窃盗の侵入経路

 上記の表からも窓に防犯対策を施すことが大切だと分かります。では窓にどんな防犯対策が必要なのでしょうか?

 窓からの侵入で多いのが、無施錠とガラス破りです。ガラス破りも人が出入りできるような大きな穴を開けるのではなく、鍵の部分だけガラスを破り鍵を開けます。

  (令和3年 刑法犯に関する統計資料-警視庁 より再編)

 空き巣の場合、90%が1階の窓から侵入されています。さらに約7割が5分以内に侵入できない場合はあきらめます。その為、1階の窓は特に割れにくい窓ガラスにし、2重の施錠にすることで、侵入の際に手間取がかかり防犯となるとされています。

 市販の防犯グッズを利用するのも良いですが、防犯の効果がどれくらいあるのか、実証されていません。

 防犯窓へのリフォームをリフォーム会社で行う場合、性能実験が行われた商品を使う為、安心につながります。リフォーム工事を行い、さらに市販の防犯グッズを使う事でさらに安心感が増します。

 

防犯性能の証CPマーク

 警察庁と民間企業が集まり、防犯性建物部品を開発・普及させるための官民合同会議が行われました。

 そこで、防犯性能の高いとされる建物部品に対し、5分以上様々な侵入攻撃から防御できるか実際に試験をしました。その試験に合格したものだけに「CPマーク」というロゴの使用を認めました。

 CPマークがついた製品は一定の防犯性を持った商品の証となっています。

↑商品に付けられたCPマーク例

 

 CPマークの付いた商品の多くは、個人での施工が難しく、基本的にはリフォーム会社に依頼し施工する形になります。メーカーがCPマークを取得した時と同様の品質のものをリフォーム会社が施工する為、防犯性が確保されます。

 インターネット通販や市販の物にCPマークが付与されている場合、悪用されCPマーク使用の性能が備わっていない場合がありますので、公益財団法人 全国防犯協会連合会で公表している「防犯性能の高い建物部品目録」に登録されているかご確認ください。

 

防犯窓にリフォーム。工事方法と日数は?

 防犯窓とは簡単に説明をすると、防犯ガラスを使い、補助錠等を使って防犯性を上げている窓です。

 ↑リフォームで窓を交換すると、目立ちにくい補助錠がオプションで付けられる。

 

 窓は、ガラス板、ガラス板を固定する框(かまち)、窓枠で出来ています。「窓」と聞くとガラス板を想像しますが、窓にはガラス板以外も含まれています。

 窓を構成する部材を防犯性のあるものに変える事が、防犯窓へのリフォームになります。リフォーム会社で行う防犯窓の取り付け工事は、工法も様々あり、家の状態や金額等も考慮が必要です。

 ここでは、代表的な工事の方法を説明していきます。ご自身がどんな工事をしたいのか、判断の参考にしていただければと思います。

 

ガラスのみ交換

 住宅のガラスは板ガラス(単板ガラス)と呼ばれる、3ミリほどの1枚のガラスが使われています。

 1枚のガラス板なので、衝撃に弱く、バールやドライバーなどで簡単にたたき割る事が出来てしまいます。そのため防犯性能は低く、狙われやすい窓です。そこで、出来たのが防犯ガラスです。

 防犯ガラスとは、ガラスとガラスの間にフィルムを挟み、ガラスに衝撃を与えられても、簡単に貫通できない様に性能を高めた合わせガラスです。

 防犯ガラスにはガラスの右隅にCPという文字がレーザーで刻印されています。またメーカーによってはシールも貼るため、自宅のガラスが防犯ガラスかどうかは見てわかります。

↑ガラスに刻印されているCPマーク「防犯」の文字も見える。

 

 ガラスの間に何か挟まれている窓ガラスというと、網ガラスを想像する方がいますが、網ガラスは火災時の延焼を防ぐ目的の為、防犯性は期待できません。

 防犯窓にリフォームすると考えたとき、単板ガラスを防犯ガラスに変える事を最初に思いつくのではないでしょうか?

 

〈リフォーム方法〉

ガラスのみ防犯ガラスへの交換をします。窓枠は既存のまま使います。

〈メリット〉

  • 既存の窓枠を使う為、価格が安く抑えられる。

〈デメリット〉

  • あくまでガラスを交換するだけなので、補助錠などは自身で設置する。

〈工事日数〉

  • 数時間~(工事ヵ所による)

 

窓の交換のリフォーム

 窓交換の場合、工事の方法が2つあります。窓そのものを変える為、商品を選ぶ際に補助錠を付けたり、窓のサイズを変更する等、より防犯性を向上させることができます。

 

1.はつり工法

〈工事方法〉

既存の窓・枠をすべて取り除き、窓枠から新しく作り直す方法。

〈メリット〉

  • 既存窓と新しい窓は同じサイズになる為、それまでと見た目変わらず、防犯窓に変えられる。
  • 窓のサイズを大幅に変えても、見た目に違和感がない。
  • 小窓やスリット窓に変える事で、人の侵入を防ぎつつ、窓を開ける事が可能。

〈デメリット〉

  • 既存窓の周りの外壁も一部壊す為、窓以外にも外壁部分の費用が掛かる。
  • 2階の窓の場合は足場も必要になるので、工事が大がかりになる。

〈工事日数〉

  • 1日~(工事ヵ所による)

↑スリット窓に網戸を設置している例。人が侵入できるほど窓が開かない為、防犯しつつ換気が可能。

2.カバー工法

〈工事方法〉

既存の窓の上に、新しい枠を被せる方法。

〈メリット〉

  • 工事費用がはつり工法と比較し安く抑えられる
  • 2階の窓も足場は不要。
  • 手軽に防犯窓に変える事が出来る。

〈デメリット〉

  • 既存枠に被せる為、窓のサイズが1周り程小さくなる。
  • 窓のサイズを大きくすることができない。
  • 窓を小さくするのは専用部材で行う為、外壁とは見た目が変わってしまう。

〈工事日数〉

  • 数時間~(工事ヵ所による)

↑窓を小さくするリフォームをする場合、断熱パネルを使用。パネルの色によっては外壁材とは色が変わってしまう。

 

窓の内側に取り付ける工事

 既存窓の内側に、窓や格子を付け、防犯性能を上げます。格子の場合は窓の種類を選びますが、内窓を付け二重窓にすることで、見た目で侵入しにくさを演出します。もちろん採用する内窓のガラスに防犯ガラスを付ければさらに防犯性が上がります。

〈工事方法〉

既存の窓枠の内側に、リフォーム用の内窓を設置する。

〈メリット〉

  • 既存の窓はそのまま使える。
  • 断熱性能が上がる。
  • 工事時間が短くで済む

〈デメリット〉

  • 窓の枠のサイズによっては部材を追加しないと設置できない。
  • 内窓・外窓の2回鍵を開ける必要がある。
  • 防犯を意識する場合、ガラスを防犯機能が付いたものを選ばないといけない。

〈工事日数〉

  • 数時間~(工事ヵ所による)

 

 

窓の外側に取り付ける工事

 既存の窓に格子やシャッター等の外装商品を取り付けることで、侵入経路を防ぎます。

 お風呂やトイレなどの換気をしたい場所には面格子を取り付け、長時間窓を開ける事が可能になります。外壁に取り付ける為、建物の躯体への影響、雨漏り対策も必要な為、建築士がいるリフォーム会社へ相談をした方が良いでしょう。

〈メリット〉

  • 窓からの侵入ができない為、ガラスを割る前にあきらめさせる事が出来る。
  • 既存の窓を変えずに済む。
  • 飛来物から窓を守る

〈デメリット〉

  • 取り付けができない窓がある。
  • シャッターは閉めていない時には役立たない。
  • 面格子は取り付ける商材によっては取り外され侵入される。

注意

窓は火事や地震、侵入者等の万が一の時に非常口としての役割も持っています。シャッター・格子を取り付ける場合、避難経路を確保しつつリフォーム工事を進めましょう。

 

 

防犯ガラスの目的

 防犯ガラスは、泥棒がガラスを割って家に侵入するまでの時間を稼ぐことを目的としています。時間稼ぎが目的なので、「割れないガラス」「傷つかないガラス」ではありません。重たいものなどで何度もたたいたり、ぶつけたりすれば衝撃に耐えきれず割れることもあります。

 

 単板ガラス・網ガラス・防犯ガラスに同じ衝撃を与えた後の様子です。

 単板ガラスは割れてほとんど残っていません。

 網ガラスは真ん中のあたりが一部穴が開いていますが、ガラスは残っています。残ったガラスは手で取り除き穴を大きくすることもできそうです。

 一番右の防犯ガラスは全体的に細かなヒビが入っていますが、穴が開いていません。もし住宅に侵入しようとしていたなら、ガラスが割れずに焦り、あきらめるか、物音を立てて突き破ろうとし、気が付かれ通報されます。

 ガラスには被害が出ますが、この時間稼ぎが防犯ガラスの役目です。

 

CPマークの付いたフィルムを貼らないで!

 通販等を利用するとCPマークの付いたフィルムが販売されています。既存の窓にフィルムを貼れば防犯窓になると思われるかもしれませんが、CPマークが付いたシートの販売元によると、資格を持った技術者が、定められた条件をクリアして貼り付けたものが、防犯された窓として認めると明記しています。

 ご自身で貼り付けたガラスは安全性の試験をクリアしていない為、ガラスを破られる可能性があります。

 既存の単板ガラスにシートを貼っても、あくまでも気休めにしかならないと思ってください。安心・安全のためにはリフォームをした方が良いでしょう。

 

まとめ

 防犯のために市販のグッズがたくさん売っています。しかし、窓ガラスを割られてしまうと、手を伸ばして、鍵を解除することができます。大切なのは、ガラスに穴を開けられないようにする事、室内に侵入しにくい様にすることです。

 家の状況によって工事ができる物、できない物があるので、ご自宅の窓の防犯はリフォーム会社に相談して、安全な住まいにリフォームしましょう。

 

 


―耳より情報―

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